バッタンバン滞在記

バッタンバン滞在記

休学中の大学院生。カンボジアのバッタンバンで 認定NPO法人テラ・ルネッサンスのインターンをしています。 自身の備忘録も兼ねて、3ヶ月半の滞在期間中限定でNGOのお仕事、 バッタンバンの街について日記形式でご紹介します。

Day043_プノン・サンポーに登ってきました

バッタンバンは終日晴れ。今日はプチュム・バン(カンボジアのお盆休み)の1日目でした。

仏教に信仰のあついカンボジアの方々は、お盆休みは参拝したり、親戚で集まって宴会をしたりして過ごすそうです。

雑貨屋さんや食堂も閉まっているお店がちらほらあります。

ご注意

本記事の下部には内戦時代のKiling Cave(キリング・ケイブ)の記述、および写真(遺骨の写真はありません)が含まれます。

そうしたお話を読むのが辛い方・苦手な方、今日は少し気持ちがしんどい方はこの記事をここで閉じて頂き、他の記事をお楽しみ頂けますと幸いです。

いつも最後に書いている本日の出費も、今日は先に書いておきます。

本日の出費(4000KHR ≒ 1.0USD)
  • 街の中心部からプノン・サンポーまでのトゥクトゥク代金(往復+下山までの待ち時間1時間含む):13.0USD
  • 入場料:2.0USD
  • 山でのモーターバイク:3.0USD
  • 携帯チャージ:1.0USD
  • ティッシュ6個入り:3500KHR
  • ファンタ:2000KHR
  • 水(1.5L×6本):7500KHR
  • お昼にパン2個:5000KHR
  • 水(500ml):500KHR
  • スーパーでの買い物:
    • パン2個(1個 0.8USD):1.6USD
    • カットスイカ:0.9USD
    • カットドラゴンフルーツ:0.55USD

外に出るとお金が嵩みますね…。

プノン・サンポ―

バッタンバン市内から約25km、中心部からトゥクトゥクで30分走った場所に、「Phnom Sampov Temple」という寺院があります。

(プノン・サンパウとプノン・サンポ―と、どちらの表記が正しいのか分かりませんが、とりあえず本記事はサンポーで統一します。)

どこまでも続く田園風景を抜けると… f:id:Guratony:20181008215825j:plain

見えてきました。写真右部にある山です。

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頂上に見える出っ張りがお寺。

麓で2ドルの入場料を払います。

トゥクトゥクから降りた瞬間にバイクタクシーのガイドさんに捕まりました。

足で登って回ると約2時間。バイクなら1時間だそうです。

1人で黙々と登るのも寂しかったので、今回はバイクで行かせてもらうことにしました。見晴台→キリングケイブ→頂上で3ドルです。

見晴台

バイクで登ること5分。見晴台に着きました。

道中、バイクタクシーのおじさんは、自分が乗っているHONDAのバイクを絶賛していました。

「HONDAはね〜、HONDA Dream もHONDA Cliqもあるけど、やっぱりHONDAが一番いいわ〜」とのことです。

こちらでは20〜29万くらいで買えるそうです。

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写真は見晴台から見た景色。写真中央に走る道は、お寺に続いているんだそう(5つのお寺と言っていましたがなんというお寺なんだろう)。

山の頂上

猿たちがいる道を抜けていくと、山頂の寺院に到着。

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建物に遮られることなく、どこまでも続く田園風景は本当に美しかったです。

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山の多い日本ではなかなか見られない景色です。

阿呆みたいな感想ですが、普段自分の見ている世界なんて、本当に狭くてちっぽけで、世界は見きれないほど広いんだなあ……と感じます。

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しかし、いかんせん柵がせこすぎて怖いです。

Killing Cave

キリング・ケイブの近くにも、お寺がありました。このお寺も内戦当時は収容所に使用されたそうです。

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内戦時代には、約1万人がここで殺され、キリング・ケイブに投げ込まれたといいます。

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降りていく階段から見るとこのような感じです。写真では見えませんが、右と左に遺骨が納められています。中央には、お釈迦様の像が2体(一体は座像、一体は寝像)ありました。

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下まで階段で行くことができます。写真は、下から見上げた角度。

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遺骨が入っている堂は開けられていて、間近で見ることができました。頭蓋骨に不自然に穴があいているものや、干からびた黒い皮膚が残っているものもありました。

たくさんの遺骨を前に、かつてこの骨を持っていた一人ひとりが生きていて、ここで殺されて穴に落とされたという事実を、私は想像しきることができませんでした。想像するのが怖くて、逃げているだけかもしれませんが、本当にあったこととして、受け止め切れない感じがしました。

殺された方の人数からしたら、このお堂には入れられずに、この穴に眠っている遺骨はもっとずっとたくさんあるのだと思います。

このような場所に来ると、自分が想像したり、その痛みを感じたりできないくらいに遠く感じてしまうことを、それでも二度と繰り返さないために、私は何ができるんだろうと、いつも思います。

ちなみに、キリング・ケイブの出口付近には地獄絵図像があります。これは内戦時代の光景ではなくて、仏教の教訓を表しているのだそうです。

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バリ語やサンスクリット語で書かれたお話だから、英語では自分はうまく説明できないんだよなあ…と、バイクタクシーのおじさん。

ぐるっと回ってちょうど1時間で下山しました。

5時〜6時にはコウモリが一気に飛び立つ様子を見ることができます。コウモリを椅子に座って待っている方がたくさんいらっしゃいました。

麓にはお店もたくさんあります。プノン・サンポーに行く際には、16時前に来て山をバイクで回り(足で回るのならもう1時間半くらい前に来たほうがよさそうです)、下山してお店でのんびりコウモリの鑑賞をするとちょうど良さそうです。

私はコウモリはいいかな〜と思って、帰宅しました。