バッタンバン滞在記

バッタンバン滞在記

休学中の大学院生。カンボジアのバッタンバンで 認定NPO法人テラ・ルネッサンスのインターンをしています。 自身の備忘録も兼ねて、3ヶ月半の滞在期間中限定でNGOのお仕事、 バッタンバンの街について日記形式でご紹介します。

Day016_ロカッブス村の収入源

バッタンバン、カムリエン、晴れ。

今日は朝からフィールドに移動。午後に事業地であるロカッブス村とプレアプットを訪問しました。家畜銀行について村の方に確認事項があったためです。確認と合わせて、近況を含めてゆるやかにお話を聞いて回りました。

「フォーマルな時間とインフォーマルの時間の使い分け」という話は、テラ・ルネッサンスの職員さんから度々聞かれます。公式な調査よりも、おしゃべりがてら近況を聞くほうが、村の方の本音を聞ける場合は多くあるため、少し時間に余裕があるときは、インフォーマルにふらっとお話を聞くことも大切にしているといいます。

ロカッブス村は(出入りがあるので確定はしませんが)160〜185世帯が住む比較的大きなコミュニティです。この村もかつては地雷原でした。現在テラ・ルネッサンスは、2ヶ月に一度の自治会と家庭菜園トレーニングを全戸対象に行っている他、豚と牛、鶏、あひるの家畜銀行を一部の村の方に行っています(選定は村の自治会で村の方自身で決めてもらったといいます)。

戸数が多く範囲も広いため、自治会と家庭菜園トレーニングを行う際には、幹線道路沿いのコミュニティと学校側のコミュニティとの二つに分けて実施をしています。

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幹線道路沿いコミュニティ(左)と学校側(右)のコミュニティ

また、以前の記事でご紹介したモデルファーム事業が昨年度から本格始動しています。

今日はロカッブス村の両方のコミュニティで、計7世帯を回りました。数世帯についてのメモを引き写しておきます。

  1. 家族構成は不明だが、60代くらいの女性が受け答えをしてくれた世帯。以前は家庭菜園トレーニングで得た種と技術を用いて育てた野菜を売り、収入も得ていた。今は体調が悪く、またトラクターがなくて耕せないため、家庭菜園は休止中。今月から始める予定だという。

  2. 野菜を売っていたご夫妻と2人の子供のいる世帯。移動手段を持っていないこの村の人のために、マーケットから野菜を仕入れここで売っているという。テラ・ルネッサンスは家畜銀行として鶏、あひるをサポート。まだ鶏とあひるは1年目で、返却できていない。裏の畑からとれる野菜と、日雇い農業と、市場の野菜を売ることで収入を得ている。

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  1. 50代くらいの女性が受け答えをしてくれた世帯。8人の子供が出稼ぎに行っており、4人の独身の子供が月にそれぞれ生活費を送金してくれるとのこと。でもそれだけでは足りないので自分では鶏を飼育している(一部テラ・ルネッサンスからの鶏銀行での貸与)。市場で食用に売るのではなくて、賭け事で使われる闘鶏用の軍鶏を育てている。食用で売るよりもその方がお金を得られるらしい。10月のお盆に子供達が帰ってきたら鶏もあひるも食べる予定だと話していたので、全滅はさせないよう、一応、全部は食べないでねというお話を職員さんがしていた。

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  1. 20代くらいの若い男性3人が集まっていた世帯。木造の高床式の家の一階部分で話していた。普段はお母さんがいるらしいが、今日はいない。毎月自治会の会場になっていた家で、牛銀行と鶏銀行をしていたが、牛は売ってしまって今は飼っていない。鶏ももらってすぐに全滅してしまった。

最後に挙げた世帯に限らず、各村でテラ・ルネッサンスが独自に実施している家畜銀行は、JICA事業で行っているそれに比べて定着率が相対的に低いようです。要因を分析する必要がありそうです。

最後にドナーさんへの報告の素材を撮影しに、ロカッブス村のモデルファームとプレア・プット村へ。

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ファーム予定地。現在農機具の支給待ち。

プレア・プット村を訪ねた際は既に放課後。子ども達は、村で遊び回っていました。

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まだ裏の山には地雷が残るプレア・プット村

夜は、カンボジア事務所スタッフが市場で仕入れた材料で手料理を作ってくれました。

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生肉の匂いは苦手だけれど賑わうマーケットを見るのは好き

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色鮮やかな野菜が並ぶ。魚は選ぶと鱗と頭を取り除いてくれる。

カンボジアの方全員が、というわけではなないと思いますが、事務所のカンボジア人スタッフは外国からの輸入品・加工品や化学調味料を好まず、自然農法で栽培された野菜や肉、最低限の調味料を好みます。皆さん食べるものにとても気を遣っています。この日もスープの味付けにいれた調味料は砂糖と塩だけ。後は香草で香りや味を足します。コンビニ食や化学調味料を使った自炊ご飯を食べ慣れていた私は、素朴でおいしい味にちょっと感動してしまいました。

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魚とターメリックのサワースープ

本日の出費(4000KHR ≒ 1.0USD)
  • 朝のコーヒー:1500KHR
  • お昼のヌードル:9000KHR f:id:Guratony:20181005230217j:plain
  • 夜ご飯(自炊):1人あたり4000KHR