Day059_プロホックの可能性?
カムリエンからバッタンバンへ。
今日は1日晴れていました。
朝、カウンターパートNGOスタッフと事務所長と共にカムリエン事務所を出発し、バベル郡にあるサムロイ・チェン村で家庭菜園トレーニングを行いました。
サムロイ・チェン村は非常に道が悪い村です。ドナーさんからご支援を頂き、小学校を建設するまでは、子ども達も学校にアクセスできない状態でした。
昨日雨が降ってしまったので、今日も道はドロドロ。大通りから30分ほど車で進んでいきます。途中からは徒歩。40分ほど、ぬかるんだ道を進みます。もちろん裸足です。ちょっと気を抜くと滑りそうになるので、うかつに雑談もできません。
さすが村の人は歩くのが早く、どんどん抜かされます。
今日はプティという葉物野菜のトレーニングをしました。きちんとした調査はしていませんが、以前野菜の種を配り、トレーニングをしたかぼちゃやヘチマを植えてくれている方がいました。
この村は自然が多くとても美しい場所です。
薬草を使って薬を作っているクルクマエ(カンボジアの伝統的な治療を施すお医者さん)もいました。
池があるので、雨季には魚もとれます。プロホックという魚を発酵させた食品やナンプラーを村の方が作っていました。カウンターパートの先生たちや駐在員さんが購入していました。
ちなみに、プロホックは普段村の中で基本的にただでやり取りされているため、駐在員さんたちが買おうとすると、村のお母さんはただであげるよ〜といいます(最終的にはお金を払って買っていましたが)。
この村の(テラ・ルネッサンスが支援している)特に広い土地のないコミュニティは、経済的にはしんどい状態にありますが、こうしたお金を介しない相互扶助が成り立っていて、食べ物はなんとかやりくりしています。
プロホックを作って売ったらどうか、とカウンターパートの先生が村の方に提案していました。
プロホックは現在、作っては親戚の人や村の方に無償で配たっり、残りは市場で売ったりしているそうです。市場ではすぐに売り切れるとのこと。道が悪いので市場までのアクセスが少し問題ですが、地元でニーズのある加工品で収入を得られたらいいかもしれません。
ただし、魚がとれるのは雨季だけなので、プロホックも雨季にまとめて作っておかないと、安定的な収入にはなりえません。事業化にするにはもう少し調査が必要です。
ちなみに、私は以前、他の支援団体さんが行っているように、技術訓練をして何か日本やカンボジア国内の観光地で売れる製品を作ったりしないのはなぜか?という質問をしたことがあります。
その時の駐在員さんの答えは、そういう支援もとてもいいけれど、目指したいのは、
外の市場やその市場を開拓してくれる人に頼るのではなくて、ここにあるものを使って、地元の市場でニーズがあるものを、地元で生産し、地元の人たちが食べていけるようにすることだ、というものでした。
同時に、内戦やその後の自由経済の流入で壊されてしまった、持続的に自然と生きていける暮らしを取り戻していきたいのだそうです。
なるほど「自分たちがいなくなる」という目標に向かっては、たしかに、地元のニーズに沿った商品を、ここで生産できるといいのかもしれません。
場当たり的な支援とならぬよう、目指したいあり方に向かってどのように事業を設計しているのか。
これからもよく観察し、勉強させて頂きます。