Day058_村落開発支援の理想って?
カムリエン、今日は14時からひどく雨が降りました。
今日の午前は、カウンターパートNGOの先生方2人と、事務所長と全員で少し家が離れていて昨日行けなかった1世帯へ、養蜂の進捗を確認しに行きました。
1- ヤギ移動
ちょっとその前にヤギを移動。1年めにヤギ銀行を行い繁殖させた世帯から、新しい世帯へ引き渡します。
2- ロカッブス村校長先生と打ち合わせ
ロカッブス村の小学校では、家畜が入ってくるのを防ぐために、ニームの木で柵を作る計画が進んでいます。現在ニームの苗木の手入れが甘くなってしまっていたため、校長先生と次の作業日を調整しました。(追記:次の日確認に行くと、既に校長先生が生徒たちと手入れをしてくれたと話してくれました。)
校長先生の家で行っている豚銀行の豚はだいぶ大きくなっていました。
3- 養蜂の状況チェック
さて、細々した用事を終えて、養蜂のチェックに向かいます。
確かに遠く、事務所から十数分走った後、雨季ででこぼこした道をさらに30分ほど車でノロノロ進みます。日本の整備された道路が、いかに色んなことを可能にしているかに気が付かされます。
さらに10分ほど歩いて到着。サンダルもぬかるみにはまってしまったのでまた裸足でいきます😭😭
養蜂は順調でした。箱が満タンになってきたので、昨日既にご自身で分蜂されたとのこと。 積極的に進めて下さる方は、ご自身で技術を学んでどんどん進めていきます。
鶏飼育も、トレーニング開始前から先生に積極的に技術を請い、自身で鶏飼育を始めていたという彼。今では小屋を増築し、大規模に飼育をしています。
現在、赤ちゃんを除き、成長した鶏だけで70羽。これまで鶏を売って200ドルを稼いだそうです。
トレーニングで教わった伝統的な薬も、しっかり作って活用しています。
保温器も導入していました。保温器を開いて、卵をライトで照らし、中身がない卵を取り除いています。中身がない卵は孵化しないため、ご自身で食べるそうです。
彼は数年前にキャッサバ栽培の失敗で多額の借金を背負いました。元々土地を広く持っていたので、キャッサバを大規模に育てたところ、値崩れで2万ドルの借金が出来てしまったといいます。
ちなみに、土地を広く持っている方のほうが多額の借金を抱えているケースが多いようです。大規模に換金作物栽培をして値崩れを起こした際に失敗してしまうためです。
支援が入る前、出会った際は、借金を抱えてどうしようもない状態だったといいますが、土地に植えているリュウガンや、鶏飼育で現在は少しずつ安定した収入が得られるようになってきました。
竹林も池もあるので、これから竹や魚を売ることもできます。
しかし、ちょっとだけ気になったのは、機械の多さです。トウモロコシを砕く機械は2000バーツ(約607ドル)で購入したそう。他にも、餌を砕く機械、切る機械、保温器があります。保温器の電気代は、月30ドルほどかかっているといいます。
借金を早く返すため、大規模に拡大するのはとても良いのですが、鶏で200ドルを稼げているように見えても、コストが差し引かれるので実際の利益はそれほど上がっていない可能性があります。生計向上においては、収入を増加させるだけでなく、支出を抑える、という観点も大切です。
100世帯もあればいろんな方がいます。そもそも飼育や家庭菜園を始めるのに抵抗があったり、うまくいかない人もいれば、一方で、彼のように少し借金をしながらどんどん拡大していく人もいます。
組織が目指す、オーダーメイド型支援。彼に対してはどんなフォローアップをしていくのか、見ていきたいと思っています。
4- 家庭菜園トレーニング
午後は、3時までそれぞれ作業をし、その後夕方にプレア・プット村での家庭菜園トレーニングを行いました。
プレア・プット村は、全体で100世帯以上あるのですが、それぞれ30世帯弱の2つのコミュニティに入り、村落開発支援を行っています。
出稼ぎから帰ってくる時間に合わせて実施をしましたが、芋の収穫時期が重なり、泊りがけで出稼ぎに行ってしまっている方が多く、参加者はほぼ子ども達でした。
予め村の方と日程を相談したほうがいいのでは?と聞いてみましたが、以前、日程を予め調整してみたものの出席率はそれほど変わらなかったそうです。
村落開発支援。駐在員さんに、こんな風にしたらいいんじゃないか?これは問題ではないか?という不躾な質問をぶつけては回答を頂く度に、一筋縄ではいかない難しさに気付かされます。