Day009_ロカッブス村の豚銀行
バッタンバンからカムリエンへ。小雨のち晴れ。
午前中はいつもどおりに、掃除をし、朝礼をして始まりました。職員さんは、毎月の事業報告レポートを書いたり、昨日MTGの議題にも上がった家畜銀行の契約書の準備をしたり、先日行ったJICA事業対象者の収入・支出のデータ打ち込みを進めていました。
午後はカウンターパートCRDNASEの先生たちとカムリエンへ。道中、事業対象世帯に配布する鶏の餌を購入していきました。
今日は、先月豚銀行で豚を引き渡したロカッブス村の4世帯を回り、豚の健康状態を確認しました。3世帯にメスを3頭、1世帯のみそれに加えて1頭のオスを貸し出しています。
酒粕を飼料にすると、とてもおいしい豚肉ができることから、元々カンボジアでは伝統的な酒造業を営む方が養豚をされていたそうです。しかし、豊かな森から様々な薬草を調合して作る伝統的なお酒は、内戦とその後の森林伐採によって作ることができなくなってしまいました。また内戦後、タイで化学飼料を与えられ、異常なスピードで成長させられた豚が多く輸入されるようになりました。 こうしてカンボジアの養豚業が衰退した結果、現在市場に並ぶ豚肉のほとんどはタイからの輸入品となっています。
ロカッブス村の豚銀行は、村人の収入源を増やすだけでなく、大量生産はできないけれど化学飼料を使わない美味しい豚肉をカンボジアに取り戻そうという試みでもあります。
どうぞ合わせて団体の月次レポートも御覧下さい。 www.terra-r.jp
豚の飼料を、グツグツと煮込んで作っていらっしゃったお家がありました。
初めに回った3世帯では、どの豚小屋も綺麗に掃除がされ、健康状態も良好でした。
黒豚もいます。
シングルマザーで6人のお子さんを抱える世帯の豚が、足をけがしてしまっていました。この世帯は、土地も家もなく現在は使われていないアンテナ塔に住んでいます。お母さんは一日日雇い労働に出なければいけないので、豚は学校から帰ってきた子供が世話をしている様子でした。先生が豚の治療を行いました。
家畜銀行は、元々持っている土地の広さや、家畜の面倒を見る余裕のある家族の有無でその成果が大きく左右されそうです。家畜はすぐに収入が得られるわけではないので、この世帯のように稼ぎ手が一人しかいない世帯では、その日の収入を得るためにどうしてもその一人が日雇い労働に出なければなりません。収入が得られるまで問題なく育てばいいのですが、途中で病気にかかったり家畜が亡くなってたりしてしまうリスクは、一日付きっきりで世話ができる家族がいる世帯よりも高くなります。1. 稼ぎ手が世帯内に一人しかいない場合、家畜で収入が得られるようになり多少日雇いに行く日が減らせるまで家畜飼育を問題なく行うための何かしらの仕組みはないのか、2. 同じような状況で家畜飼育が上手く行った方はいるのか、職員さんに聞いてみたいと思いました。
訪問を終えて、フィールドに来た際にいきつけの場所で先生たちとご飯を食べました。カンボジア料理は、甘辛い味付けに生姜を添えた料理が多く、和食に似ています。
今日の出費(4000KHR ≒ 1.0USD)
- お昼のバケットサンド:3000KHR(0. 75USD)
- 夜ご飯:8000KHR(2.0USD)